「私の理論を活用した２大実験研究が韓国で進行中だ。 大学入試改善案と（腎臓病患者が）移植腎臓を容易に得られる方法を探すことだ」。

今年のノーベル経済学賞共同受賞者のアルビン・ロス米ハーバード大教授（６１）が、中央ＳＵＮＤＡＹとのインタビューでこう語った。 インタビューは米メリーランド大のイ・スヒョン教授（３７、経済学）を通じて電話と電子メールで行われた。

ロス教授は主要業績のマーケットデザインについて、「現実世界の大小の市場がどのように作用しているか理解し、時には市場の不十分な部分を補正する学問」とし「広い意味の市場、その中でも双方がお互いパートナーを見いだすマッチング（Ｍａｔｃｈｉｎｇ）市場は、マーケットデザインが介入する余地が生じる」と紹介した。

「行きたい大学、志望する職業、気に入った異性が存在しても、大学、職場、異性があなたを選択してくれなければならない。 こうした不一致（ミスマッチ）をできるだけ減らすのがマーケットデザイン」と述べた。

韓国の大学入試制度については、「以前は試験日が重なり受験生の大学選択権が大きく制約されていたが、今は多様になっている」とし「制度があまりにも複雑で、最適の選択とマッチングが実現するかどうかは分からないが、私のマッチング理論を接続できる余地が大きい分野」と明らかにした。

ロス教授は「経済学者が手術医師を助けられるということに人々が驚く」と述べながら、腎臓移植も例に挙げた。 「血液型が合わず家族内の腎臓交換移植が難しければ、腎臓寄贈者と受贈者のいくつかの類型を集めてＡ型患者－Ｂ型供与者の家族とＢ型患者－Ａ型供与者の家族がお互い腎臓を交換すればよい」とし「経済学は金銭的補償を通じて市場を作動させるが、この市場は金銭が介入しなくても作動するという点に注目する必要がある」と指摘した。

ロス教授は「嫌悪（ｒｅｐｕｇｎａｎｔ）経済学」の創始者と呼ばれる。 臓器移植と聞いて生じる負担の情緒が臓器の需給を阻害する現象を「嫌悪理論」で説明した。 臓器売買・売春・代理母など、さまざまな嫌悪変数を最初から勘案して市場を設計する必要があるという主張だ。

ロス教授はニューヨーク・ボストンの公立学校の学生の配分、米国経済学博士求職市場などにマーケットデザインを適用して成功した。 「博士学位取得予定者は約１００大学に志願書を出すが、大学側は特定人が心から来たいと願っているのか、ただ志願書をばらまいているのかは分からない。 志願者が『本当に行きたい』という大学を２カ所以内に決めて、米国経済学会の認証を受けて該当学校に伝える方法を使った」。