【グローバルアイ】金正男殺人事件の教訓
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.05.02 13:55
ことし2月13日、北朝鮮金日成(キム・イルソン)の初孫である金正男(キム・ジョンナム)が殺害された。生化学武器VXガスを使ったテロだった。事件は45日を過ぎてようやく終了した。3月30日、「北朝鮮外交旅券所持者キム・チョル」の死体が「キム・チョルの妻イ・ヨンヒ」の要求によって防腐処理されて北朝鮮に渡された。同じ時間、抑留されたマレーシア外交官を乗せた航空機が平壌(ピョンヤン)空港を離陸した。暗殺容疑者3人もこの日、北京を経由して北朝鮮に戻った。狩人が獲物と一緒に「衣錦還郷」したも同然で、殺人犯が証拠物と一緒に無罪釈放されたようなものだ。北朝鮮特有の崖っぷち交渉術が収めた「成果」だ。
韓国メディアが金正男殺害の第一報を報じて数時間後に筆者はマレーシア航空MH361便に乗った。その後、クアラルンプールでの半月は緊迫していた。電撃的な解剖検査と北朝鮮の反発、容疑者イ・ジョンチョルの逮捕と康哲(カン・チョル)在マレーシア北朝鮮大使の深夜霊安室声明、事件現場の防犯カメラ映像の流出、マレーシア警察と北朝鮮大使館の声明攻防戦が続いた。フィナーレは人質交換劇と交渉戦が飾った。事件を隠そうとする北朝鮮と暴こうとするマレーシア警察、数百人の内外信取材陣と機関員がクアラルンプールの雰囲気を熱くした。