【中央時評】高齢者の貧困と自殺を放置する韓国社会(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.09.15 08:25
高齢者貧困問題を直接的に解決するために導入された制度が基礎年金だ。2008年に導入された後、2014年に改編された基礎年金はその対象が65歳人口の70%と広い半面、年金額は月10万-20万ウォンと低いため、高齢者貧困問題を根本的に解決できていない。そのほかにも国民基礎生活保障制度があるが、どの先進国にも存在しない扶養義務者条項のために65歳人口の6%だけが恩恵を受けている。その結果、韓国での高齢者貧困率は2007年の45%から2013年には48%にむしろ増加したと、韓国保健社会研究院は推計している。
高齢者貧困問題の解決のための制度が国民年金、基礎年金、国民基礎生活保障制度と3つあるにもかかわらず、高齢者貧困問題が深刻になっているのは、従来の制度が十分でないからだ。従来の老後所得保障制度の問題点はすでに多くの研究を通じてよく知られているため、これに対する解決策を見つけるのも難しいことではない。例えば65歳以上の高齢者を対象とする国民基礎生活保障制度と基礎年金制度を統合して高齢者対象公共扶助制度を新設して支援対象を貧困層に限定し、年金額を最低生活を保障するレベルで差別支給すれば、高齢者貧困問題は一挙に解消する可能性がある。制度変更初期には追加の予算負担が生じるだろうが、時間が経過するほど国民年金受給者の増加とともに基礎年金受給者は縮小するはずだ。