【コラム】なぜ北朝鮮には国家代表者が3人もいるのか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.07.19 15:20
最近、北朝鮮は国家代表者が3人もいる国になった。北朝鮮は4月11日に開催した最高人民会議第14期第1次会議で改正された憲法の全文を11日に公開した。改正憲法100条によると、「(北朝鮮の)国務委員会委員長は国家を代表する朝鮮民主主義人民共和国の最高領導者」だ。改正憲法は国務委員長が「国家を代表する」という言葉を追加することで、事実上、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が国家代表者であることを明示している。ところが金委員長は「国家代表者」という地位をほかの2人と共有している。改正憲法は依然として金日成(キム・イルソン)主席を「永遠の指導者」として推戴する。北朝鮮で金日成主席が絶対的に尊敬を受ける人物であるため、この地位が変わる可能性はないようだ。
亡者が国家代表者の場合、実務的な問題が発生する。国際外交では派遣国の大使が駐在国の国家元首に信任状を提出する慣例がある。大韓民国の場合、青瓦台(チョンワデ、大統領府)で大統領が信任状を受けて大使と歓談する。英国では女王が大使をバッキンガム宮殿に招いてティータイムを持つ。しかし死亡した人が国家代表者なら、こうした行事をすることはできない。改正前、北朝鮮の憲法では最高人民会議常任委員長を金日成主席の代理人に任命し、外交業務を代行させた。その時から北朝鮮には「永遠の国家代表者」と「至上代表者」が共存した。