【コラム】韓国経済、「別々に」ではなく「別だが一緒に」(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.12.31 11:12
短期的な景気浮揚だけして構造改革を度外視するのも問題だが景気が死にかかっているのに構造改革にだけオールインするからと経済が回復したりはしない。朴槿恵大統領は「体が悪いのに手術をせずにいられるだろうか」として構造改革の必要性を力説した。「改革には常に抵抗がともなうものだが、誤った積弊をそのまま放置しておけば経済を回復するのに困難があり、結局子孫に大きな負担を与える」とも述べた。構造改革だけみれば正しい話だ。ところが前提がひとつ抜けている。手術が必要な患者も手術に耐えられるほどの体力がなければならない。栄養失調で体力がすっかりなくなった患者をいきなり手術台にのせることはできないものだ。本当に急ならば栄養剤も注入して、手術過程での出血を補充するために大量の輸血もするものだ。経済も同じだ。短期的な体力補強のために景気浮揚も必要で、根本的な病因を除去するための構造改革も必要だ。「別々に」ではなく「別だが一緒に」しなければならないことだ。
韓国経済の構造的な問題点は輸出・大企業中心の成長方式が限界に達し、新たな経済パラダイムが必要ということだ。その対案として提示された案が内需・中小企業中心に成長の軸を移そうということだ。こうした成長パラダイムの転換は経済全体の構造的枠組みを変える課題でもあり、短期的な景気浮揚の効果を最大化するための案でもある。崔ギョン煥(チェ・ギョンファン)経済チームが内需活性化を通じた景気回復を掲げた理由だ。ここでも「別だが一緒に」の精神が必要だ。内需を生かすために輸出を殺そうというのではなく、中小企業を育てるから大企業を叩きつぶそうというのではないという話だ。輸出は輸出でうまくいき、大企業が世界を舞台に伸びていくことが韓国経済には利益になることだ。ただこれまで内需があまりに振るわなかったため、これをもう少し引き上げ、競争力が弱い中小企業を支援して新たな成長動力とすることが重要になっただけだ。