【コラム】家族の再会場所は決まっていますか=韓国

【コラム】家族の再会場所は決まっていますか=韓国

2017年09月22日11時12分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  「明日水素爆弾が落ちても今日秋晴れで気持ちの良い風が吹けば幸せ、それが韓国人です」

  今月3日、北朝鮮が第6次核実験に成功した後、SNSで多く読まれたあるツイッターの文だ。1945年に広島に投下された原爆の爆発力の10倍を越える水素爆弾を北朝鮮が山中で爆発させ地軸を揺るがしたというのに、何事もなかったかのように日常を生きる韓国人の「ウップン(おかしくも悲しい)」姿を現わしている。

  北朝鮮は持ち、韓国は持っていない絶対武器の核が韓半島(朝鮮半島)の安保を思いのままにする状況が迫っている。大陸間弾道ミサイル(ICBM)級に続き中距離弾道ミサイル(IRBM)を移動式発射台から日本・北海道の頭上に飛ばした。方向さえ変えればグアムの米軍基地に落ちていた距離だった。過去とは次元が違う安保の事態が起こっているというのに、「驚くべきほど泰然自若だ(surprisingly blase)」と海外メディアが表現するほど韓国は静かだ。あるソウル駐在の外交官は「2010年に国土〔延坪島(ヨンピョンド)〕が攻撃された状況でも平穏で不思議に思ったが、今回も驚いた」と話した。

  なぜなのか。何人かに聞いてみた。「戦争になったらどうせ全滅だから、いっそ忘れて暮らす」「鈍感になった」「生活に追われて戦争に気を回す余裕がない」「北朝鮮が攻撃することはないだろう」。それぞれ違う考えの中にも、みんな一抹の不安は感じていた。

  周辺にはそれなりの備えをしている人もいた。外国生活が長かった40代夫婦は2週分のミネラルウォーターと食糧、簡易トイレを準備してあるという。子どもたちと連絡が途絶えた場合に備えて1次再会場所をソウル郊外周辺の祖母宅、2次再会場所を自宅(または自宅跡地)と決めた。すぐに会えない場合、毎週別れた曜日の正午に家で会おうという約束までした。50代の独身女性は家を契約する時に眺めの良い21階の代わりに9階を選んだ。階段で退避しなければならないという理由からだった。30代の青年はバイクを買う予定だ。

  韓半島で戦争が起きてはならないが、起きない確率が0%ではない。北朝鮮が核兵器を、生化学武器を、核EMP弾(電磁気波)を使わないことを願うが使わない可能性が0%ではない。これまで北朝鮮の挑発で多くの青年が罪のない命を失った。終局には北朝鮮・米国が大妥協をするだろうとは言うが、核を決して捨てない北朝鮮に対して米国がどんな選択をするか分からない。北朝鮮の窮極の目的は米軍の撤収だが、追い詰められた対立がどんな危機に飛び火するか分からない。駐韓米軍が撤収した場合、核国家の北朝鮮と中国・ロシアに囲まれた韓国にどんな危機が迫ってくるかも分からない。金正恩(キム・ジョンウン)委員長にとって6・25韓国戦争は祖父の金日成(キム・イルソン)主席の果たせぬ夢で、米国は「経済・外交的対朝圧迫を、やるだけやって駄目ならば軍事的オプションを選択するほかはない」という勢いだ。

  日本は北朝鮮ミサイル発射の時即時警報システム「Jアラート」を稼動して住民2500万人に緊急退避の指示を出し秒単位の対応を取った。憲法改正のための安倍首相の「オーバーアクション」という非難もあるが、何もしないよりはるかにましだ。グアム政府も北朝鮮の包囲攻撃威嚇の後、2ページの非常退避マニュアルを住民に配布した。

  韓国人はミサイルが飛んで来たらどこに逃げなければならないのか。生化学武器が爆発したら地下に逃げるのか、ビルの上の方の階に行くべきなのか。車の中ではどうすべきか。むやみに恐怖感を煽ろうというのでない。安保の現実を直視し、万一に備えようということだ。政府は有事の際の退避システムを整備し、国民に数ページかの対応案内文だけでも配布すべきだ。

  日本に「平和ぼけ」という言葉がある。戦後の高度成長の中、平和に慣れて危機に鈍感になったことを警戒しようという言葉で、右翼が好んで使う。最近、北朝鮮の挑発で日本国内ではこのような言葉がさっと消えた。代わりに「韓国は平和ぼけしている」と噂しているという。安保不感症は韓国社会が陥る安全不感症のもう1つの姿だ。安全ベルトをして車に乗るように、落ち着いて備えはしておこう。中秋節に家族が集まったら非常事態が発生した時の再会場所でも決めておこう。

  キム・スジョン/外交安保選任記者
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