【コラム】無精卵政治、執権3年目の話題は?=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.11.14 13:54
秋の収穫が終わった野原で、実のない稲を刈り取った農夫の心情はどうだろうか。数日前にある集まりで「無精卵政治」に対する有権者の気持ちがそうだといった。無精卵政治、卵をはらむことができない政治だ。執権2年を経過した朴槿恵(パク・クネ)政権がそうだ。首脳会談に年金改革、セウォル号対策、そして低迷する経済の面倒を見るのに気が気でない大統領は、とても空しいことだろう。どうやっても手でつかめるものがないことを。誰が大統領になっても、国会の強力な拒否権を打ち破ることは難しい。
結婚も3年目になれば新婚のときめきは消える。出勤途中に停留所まで出てきていた新婦が、帰宅が遅れたといって横目でにらむ時には気をつけなければならない。愛すべき新郎のそのクセが暮らしをだめにする悪い習慣であることを知るようになった。有権者の愛が冷めるのがまさにこの時である。それでも、もともとの支持者は抗弁するかもしれない。実績ゼロが、余計なことをするより百倍はましだということだ。実際にそうだった。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は「4大立法」を押し切るために愛をすべて忘れた。李明博(イ・ミョンバク)元大統領(MB)は、韓米FTAを大風呂敷で献呈してすぐに追い込まれた。BSE(牛海綿状脳症)恐怖が「明博山城」(注:2008年の民主化21周年デモの際に使われた李明博と山城を合成した言葉)を乗り越え、ついに政権の鋭鋒が折れた。
2010年2月、筆者はMB政権3年目の記念講演に招待された。そこで3年目の歴史的課題を「社会民主化」と定義した。欧州先進国がそうだった。政治民主化が成熟すれば不平等の緩和、差別の除去、機会均等の改革へと行軍する。核心は労働市場と福祉をつなげて生産性と平等の効果を増進し、周辺階層に機会を拡張すること。大勢の人が少しずつ費用を負担すれば大統合の道が開かれるということだ。MB政権は「公正社会論」をかけて内政に突入した。ところで愛が冷めたせいなのか、背後の力が足りなかった。土木工事だけが記憶に残った。