【社説】今日の承服が法治の新たな歴史を開く
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.03.10 10:46
誰かがこの悪夢に「終わり」を宣言しなければならない時間だ。朴槿恵(パク・クネ)大統領に対する弾劾訴追から92日目、全国は分裂と混乱に包まれた。きょうの朴大統領に対する憲法裁判所の弾劾審判宣告こそが、終わりのなかった理性の漂流に終止符を打たなければならない歴史的な峠だ。憲法裁の前の「賛」と「反」の激烈さ。審判後の影響を憂う重い沈黙の多数。真実の孤独に眠れない裁判官。そのすべてがきょう抱くべき言葉が「法治」だ。
大韓民国共同体の2つの作動原理は「法治」と「民主主義」だ。弾劾賛成側と反対側がともに自らの要求が法治だと主張し、憲法裁に圧力を加えてきた。「意思表現の自由」であるため民主的だ。しかし一つ間違っている。ろうそく集会側の「正義」や太極旗側の「愛国」のような人間の裁断より法治こそがより高い価値だ。
1960年4・19革命後に初めて導入された憲法裁は1961年5.16軍事クーデターで機能が停止した。1987年6・10民主抗争の産物である直選制改憲に至って復活した。ドイツ連邦憲法裁の大きな影響を受けた。「憲法の守護者」が誰かをめぐりドイツでは「大統領」(カール・シュミット)と「憲法裁」(ハンス・ケルゼン)間の歴史的論争が激しかった。第2次世界大戦後にドイツが選択した最高の憲法守護者は憲法裁だった。ヒトラーとナチス(Nazis)の悪夢のためだった。