【コラム】足かせをはめられた韓国科学技術
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.11.02 08:24
四方を敵に囲まれて随時テロが発生する環境のためだろうか。エルサレムの運転手は余裕がなく攻撃的だ。車線変更も隙間を与えてくれない。エルサレムで経験した完全自動運転車もその地域の人たちに似ていた。隣の車線に隙間ができると「ブーン」とエンジンの回転数を急激に上げて敏捷かつ荒々しく割り込む。気性の激しい人工知能(AI)だ。モービルアイが開発している完全自動運転車の走行テストだった。12個のカメラから入る視覚情報、超高精密地図、地域別の運転習慣や環境に合わせた自律運転判断…。まだ開発中というが、驚くほど人間に似た、いや、人間よりさらに優れた自動運転システムだった。
モービルアイを率いるのはアムノン・シャシュア会長だ。彼はヘブライ大学の現職教授でもある。自分の研究をさらに拡張してみたいという思いで会社を設立したという。それが昨年、グローバル企業インテルになんと17兆ウォン(約1兆7000億円)で買収された。
エルサレム本社でシャシュア会長と対話中に思い浮かんだ言葉が一つあった。「アルデバラン」。韓国電子通信研究所(ETRI)が2016年末に出した無人自動運転車専用プロセッサだ。当時ETRIは「データ処理速度と電力消耗の側面で世界のどの製品にも劣らない」とし「もう国内企業は外国産設計およびプロセッサを購入することなく無人車のセンサーデータ処理および自動車を制御する半導体技術を保有することになった」と主張した。