結局、トランプ大統領の口から「くだらない言葉」が出てこないように塞いだ人たちは首脳だった。安倍首相は「低姿勢」でトランプ大統領の心をつかんだ。２月初めに安倍首相がトランプ大統領に会った時の最初の言葉は「大統領に感謝する」だった。状況が分からなかったトランプ大統領が理由を尋ねた。「大統領の交渉術のおかげでＦ－３５購入費を１億ドル減らすことができた」という言葉に、トランプ大統領は「あなたが気に入った」と答えた。日本の消息筋は「翌日ゴルフを５時間する間、トランプ大統領は３０分ごとにオバマ前大統領を批判した。そのたびに安倍首相は我慢していかなる反論もしなかった。その代わり遠い山を眺めるジェスチャーを見せ、そしてハイファイブを連発した」と話した。中国の習近平国家主席は特有の真摯な態度でトランプ大統領を説得した。どんなでたらめな歴史講義をしたのかは知らないが、とにかくトランプ大統領に「悟り」を与えた。最近トランプ大統領は習近平主席を「私が尊敬する方」という。

答えは出ている。首脳間の信頼の力だけが「スーパーナルシスト」トランプ大統領の口を塞ぐことができる。安倍首相式の「戦略的愛嬌」であれ、習近平主席式の「真摯な説得力」であれ、何かをしなければいけない。韓国と韓米同盟を理解させ、トランプ大統領の口から我々を不快にさせる言葉が出てこないようにすること、それがまさに韓国国民が１週間後に誕生する次期大統領に与える最初の宿題だ。あいまいな態度を見せていれば「カール・ビンソン」請求書の怪談は現実になるかもしれない。

金玄基（キム・ヒョンギ）／ワシントン総局長


【時視各角】韓国は「トランプの口」を塞げるのか（１）