【コラム】平壌がボタンを押す前に(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2012.04.02 12:04
また現実を冷静に直視してみよう。弾道ミサイルの脅威を最小化するために最も急がれる措置は核弾頭搭載を封じ込めることだ。濃縮ウランとプルトニウムを統制し核弾頭の追加生産と試験を防げる2・29合意が重要な理由はまさにこのためだ。ロケット発射を懲らしめる次元から合意を無効にするのはファウストの愚を冒すことになりかねないという意味だ。これはまるで「未来の脅威」である高濃縮ウラン(HEU)問題を取り上げてジュネーブ合意を破棄することによりプルトニウムという「現在の脅威」をパンドラの箱から解き放した2002年10月の第2次北核危機序幕の誤りとも似ている。
ついでにこれまでの報復外交がどのような実績を上げてきたかも振り返ろう。2008年の金剛山(クムガンサン)観光客殺害事件、2009年のミサイル発射と2度目の核実験、2010年の哨戒艦爆沈と延坪島(ヨンピョンド)砲撃。そのたびに韓国政府は強力な北朝鮮報復の協調外交を展開してきたが、どれひとつ顕著な実効を得られなかった。北朝鮮問題を報復とメガホン外交だけでは解決できないという教訓を認めるならば、ただ座って待つのはやめ、「平壌が発射ボタンを押す前に」できる何か見つけ出さなければならない。