【社説】疎通と交流で解消しなければならないTHAADをめぐる韓中の葛藤
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.07.27 07:19
中国の王毅外交部長は表現がストレートだ。一昨日の夜、ラオスで開かれた韓中外相会談で韓国の高高度ミサイル防衛(THAAD)体系配備の決定に対する不快な感情をはばかることなく口にした。「韓国の行為が両国の相互信頼の基礎に害を及ぼした」「残念だ」「韓国が両国関係を守るためにどのような実質的行動を取るのか聞いてみたい」。王部長のTHAAD糾弾発言は通訳を介さないまま1分以上続いた。王部長がどれほど激しい状態にあったか、察することができる。韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官は「草を除くには根から抜かねばならない(剪草除根)」という成語を引用してTHAAD問題の根本原因が北朝鮮の核にあることを指摘した。
韓中が既存の立場を繰り返した形だ。しかしTHAAD配備決定以降、両国外相会談が初めて開催されたこと自体に今回の会合の意味がある。過去は葛藤状態になれば中国はその不満を韓国との接触忌避で表現したりした。そうするうちに誤解は大きくなり、事態が複雑化するのが常だった。韓国外交官の間では「中国が壁のように感じられる」という言葉が出た。今回はTHAADをめぐる葛藤が深まってからおよそ半月ほどで両国長官が会って話をした。王部長が「私たちは仲間なのでコミュニケーションを維持しなければならない」と述べたことは評価に値する。葛藤を解消する最上の方法は疎通だからだ。
韓中関係には葛藤と共有利益が共存する。どちらが大きいかによって両国関係が決まる。韓中は互いに分け合う利益関係がはるかに大きい。THAAD葛藤によるほころびをしっかりと修繕しなければならない理由だ。特にTHAAD問題が異なる利害関係を損なわないように韓中ともに努力しなければならない。最近、大邱(テグ)チメク(チキン+ビール)フェスティバルに中国山東省青島市が当初の参加計画を撤回したという便りには驚いた。中国中央政府の指示があったのか、でなければ両国の雰囲気を勘案した青島市自らの判断なのかは不明だが、THAADをめぐる葛藤が両国のこのような民間交流にまで影響を及ぼしては困る。THAADをめぐる韓中の葛藤は疎通と交流で解消していくべきだ。