【時論】中国が真のG2になるためには
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.06.13 11:42
中国は国家イメージを高めるための公共外交の一環として政府予算を投じて中国語と文化を伝播する孔子学院を海外で運営している。ここには世界第2の経済大国、すなわちG2国として国際舞台で米国と新大国関係を追求しようとする中国の意図が込められている。共産党一党支配下で富国強兵により地域覇権を追求する威嚇的な国ではなく、東洋の儒教文化を持つ文明国として人倫の道理と調和した社会を追求する品格ある国という認識を植え付けようとする努力とみられる。
北京・天安門の前に新しく作られた中国歴史博物館には孔子の銅像が立っている。孔子の故郷である山東省曲阜に行けば孔子を祀る孔府、子孫が代々生きた孔家、孔子の墓である孔廟が国レベルで保存されている。孔子は目がくらむような世の中だった春秋戦国時代に理想的な統治のための人倫の道理と人間尊重の哲学を説いた聖賢であり人文思想家だった。毛沢東率いる中国共産党が革命で政権を取った後、権威主義的という理由で儒教思想が排斥され文化大革命の狂気の中で孔子をおとしめる運動が展開されたりもしたが、根深い儒教文化は21世紀に入ってもその命脈をつないでいる。
問題は果たして中国が人倫の道理と人間の生命を尊重する文明国と認識されているのかにある。最近ラオスで9人の脱北青少年が韓国のふところに抱かれる直前に北朝鮮要員により飛行機に乗せられ中国を横切り死地へと強制送還される衝撃的な事件が発生した。脱北した「コッチェビ」と呼ばれる浮浪児の中には人身売買で売られ性的虐待を受けながらかろうじて逃げた15歳の少女もおり、保育園で育ちコッチェビとして物乞いをしながら3度にわたり脱北する過程で凍傷により足の指を失った23歳の青年もいた。韓国政府は憲法上脱北者を自国民として保護しなければならない明確な責任があり、ラオス政府も彼らを難民として待遇し生存のための選択の自由を認める国際的な責任がある。しかし韓国政府は対応が遅れ、ラオス政府は彼らを強制追放した。