国政壟断事件でソウル拘置所に収監中の崔順実（チェ・スンシル）被告が朴槿恵（パク・クネ）前大統領の逮捕について４日、弁護人を通じて心情を表した。

この日、ソウル中央地裁で開かれた崔被告の収賄容疑に対する初裁判で、イ・ギョンジェ弁護士は「崔氏が自分の間違った判断と振る舞いで生じた大変な事態について懺悔している」と述べた。イ弁護士の隣の被告人席に座っていた崔被告は頭を深く下げたままうなずいた。またイ弁護士は「崔氏は善意を施したサムスン側にも申し訳ない気持ちで当惑している」と話した。崔被告と朴前大統領の容疑にはサムスンから４３３億ウォン（約４３億円）台の賄賂を受けた内容が含まれている。

崔被告は悔しさを吐露したりもした。崔被告は「特別検察官チームは私の話を聞こうとせず、収賄罪というフレームを持ってきて取り調べを進めた。私は大きな会社を運営したことがないためサムスンの経営・支配構造は知らず、陳述を拒否した」と説明した。続いて「私はいくら大統領のそばにいるといっても財閥の名前は知っているだけで見たこともなかった。大韓民国が法治主義になっておらず、悔しくて死のうとも思った」と語った。

崔被告の職権乱用・強要容疑事件をともに担当している裁判所は両事件を併合すると明らかにした。この日、法廷では崔被告が朴前大統領の衣装制作室の賃貸料とデザイナーの給与など３億ウォン（約３０００万円）を代わりに支払った状況も公開された。朴英洙（パク・ヨンス）特別検察官チームは「崔被告と朴前大統領が社会・経済的に密接な関係ということを見せる証拠」と主張した半面、崔被告側は「すべて精算し、特別な意味はない」と反論した。

特検チームが公開した朴前大統領の服制作者イムさんの陳述調書によると、イムさんは崔被告の指示を受けて２０１３年から約３年間、青瓦台を出入りして朴前大統領の衣装を作り、職員の給与や賃貸料などとして約３億ウォンを受けた。イムさんは特検チームに「２０１４年末までは給与の月４５０万ウォンをコ・ヨンテ氏から受け、その後は崔氏や崔氏の会社の経理から受けた」と述べた。

一方、検察特別捜査本部は４日、朴前大統領に対する取り調べをソウル拘置所で行った。取り調べは拘置所内の刑務官事務室を改造した臨時調査室で韓雄在（ハン・ウンジェ）ソウル中央地検刑事８部長が行った。朴前大統領は逮捕状審査と同じく収賄などの容疑すべてを否認したという。この日の取り調べは昼食・夕食を含めて１０時間４０分ほど続いた。２回目の取り調べは６日に同じ場所で行われる。