【コラム】韓国新政権の産業政策、公約に執着せず民間と協業を(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.06.01 13:12
産業政策は狭い意味では政府が特定産業(群)を選定して支援し成長させることだ。どれかひとつの分野の問題を解決するからといって政策の効果を担保することはできない。これと関連して解決しなければならない多くの問題があり、これらがそれぞれ別に存在するのではなく互いに絡み合っているためだ。どのような基準で特定産業を選択するか以外にも多くの問題がある。政策担当に対する官庁間調整、業種・企業群・企業規模に基づく利益配分調整、既存主力産業と初期段階新産業間の調整などがそれだ。これに加えエネルギー、規制整備、構造調整、産業人材、技術開発、知的財産権なども複雑に絡んでいる。結局産業政策の範囲は単純に産業育成にとどまるものではないのだ。ハーバード大学のダニー・ロードリック教授は「産業政策は伝統的で(traditional)、正統的な(orthodox)方式で処方される立派な経済政策」と話す。産業政策の相当部分が生産部門に向けた公共財の供給に関連している側面を指摘したのだ。
結局新政権の産業政策が進むべき方向は、政府主導か民間主導かの選択ではない。2つの経済主体間の戦略的な協業だ。資源配分に関する選択をする上で政府も情報が不足しているが、民間も情報が限定されている。このためどちらの選択も正確でないことがある。技術の発展と融合により未来に対する予測がさらに難しくなった。そのため予測不確実性の危険度は次第に増加している。したがっていまは産業政策の結果について正しいか正しくないかを論じることよりも、産業政策過程での透明性確保が必要だ。ここに政府と民間の戦略的協力が補完的に作用しシナジー効果を出せる方策を探すことが望ましい。