フィリピンで姿を消す韓国人たち
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2012.07.17 09:30
「息子が生きているならばどれだけ苦痛な日々を送っているのか…。考えただけでとてもつらい状況だ」。
フィリピンで息子を失った母親は10カ月にわたり韓国でむせび泣いていた。父親は6月にフィリピンで事故に遭った人たちが集まるインターネットカフェに「息子を探したい」としてこのような文を書き込んだ。昨年9月にフィリピンへ5泊6日のバックパック旅行に行き失踪したホンさん(32)家族の話だ。帰国3日前にホンさんの両親は電話を1本受けた。息子は切迫した声で、「和解金が必要だから1000万ウォンを入金してくれ」と話した。入金するとこの日午後から息子との連絡が途絶えた。両親は現在まで駐フィリピン韓国大使館と韓国の検察などを訪ね息子の行方を追っている。ホンさんは「現地の大使館に連絡をしたが電話もまともに受けない」と吐露した。
フィリピンで韓国人が殺害されたり行方不明になるケースが増えている。韓国刑事政策研究院が16日にまとめた「2006~2010年フィリピン滞留韓国人犯罪被害現況」資料によると、この5年間にフィリピンで行方不明になった人は95人、殺害された人は30人に上った。監禁され金を奪われて解放されたいわゆる“拉致ビジネス”の被害者も45人に達した。チャン・ジュンオ研究委員は、「他の東南アジア諸国で韓国人が行方不明になったり殺害されたケースは1~2件程度。不法銃器所有などで犯罪が大きく増えている」と指摘した。