【コラム】核均衡を通じた韓半島平和(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.09.17 11:33
理論と実務で米最高の核戦略家に挙げられるチャールズ・ファーガソン米科学者連盟(FAS)会長は北朝鮮の核武装に対応した韓国の核武装シナリオを盛り込んだ報告書を2015年に発表した。いわゆる「ファーガソン報告書」だ。彼はその気になれば韓国が最短6~8カ月以内核武装できると予想した。月城(ウォルソン)原子炉に貯蔵された使用済み核燃料だけ再処理しても4430個の広島級核爆弾を製造できるプルトニウムの生産が可能だというのが彼の計算だ。核拡散防止条約(NPT)という障害物はNPT第10条に規定された脱退事由である「国の至上利益侵害」を根拠に乗り越えられるとの見方を示した。核実験から1年で制裁が解除されたインドの事例を挙げ、韓国のような民主主義国の核武装は北朝鮮と違うという指摘もした。世界10位の経済力を持つ韓国と貿易を中断すれば他の国々も被害が大きいためむやみに経済制裁をするのは難しいという話もした。要するに米国さえ容認すれば韓国の核武装は可能だという話だ。
トランプは金正恩(キム・ジョンウン)との非核化交渉を外交政治の功績としたいが、北朝鮮が完全に核を放棄する可能性はゼロに近い。外交的アピール効果を狙いいまはかけひきする姿を見せているが、北朝鮮の完全な非核化が不可能だという事実が明確になればトランプの考えも変わるだろう。軍事的オプションは選択肢ではない。被害がとても大きい上に、北朝鮮全域に隠匿された核兵器と核施設をすべて見つけ出してなくすこともできない。残るのは韓国と日本の核武装を許容し北朝鮮の核を無力化する方法だけだ。大統領候補時代にトランプは米国の負担を減らすためなら韓国と日本の核武装を容認できるという趣旨の発言をしてもいる。