【コラム】デフレと仲良く生きる=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.02.04 11:20
デフレをめぐる議論と関連し国際決済銀行(BIS)が興味深い研究結果をこのほど出した。「デフレの費用に対する歴史的眺望(The costs of deflations:historical perspective)」がそれだ。BISはこの140年間に主要38カ国で起きた663回の物価下落期間にどのようなことがあったかを全数調査した。デフレは財貨・サービスなど製品価格の下落と不動産・株式など資産価格の下落を区分し影響を確認した。その結果製品価格の下落と経済成長の間にこれといった相関関係はなかった。製品価格が下がっても経済がうまく回った事例が多かったという話だ。
これに対し不動産など資産価格の下落は経済に悪影響を及ぼすことが確認された。特に民間部門の負債が大きい時は資産デフレにともなう経済沈滞が増幅されることが明らかになった。日本の場合がこれに該当する。負債で買った不動産価格が4分の1に暴落すると消費は失われ物価下落と不況の悪循環が続いた。
いま韓国はどうなのか。住宅市場に不安な部分があるが、資産デフレを引き起こす状況ではない。全般的な低物価は石油類と工業製品価格の下落による部分が大きい。まだ良いデフレと見ても大丈夫だという話だ。韓国は国際原油価格が10%下がると消費が0.68%増え、国内総生産(GDP)も0.27%増加するというのが現代経済研究院の実証分析だ。その上韓国は古びた流通構造と寡占的談合のため世界的に物価が高い国に挙げられる。製品価格のバブルを除き続けなければならない。