まず、イスラエルの創業育成政策は市場主義に重点を置く。韓国でも知られるヨズマファンドは政府主導の下に１９９０年代にイスラエルが創業国家として浮上する上で役割を果たした。その時に民間資本のファンド共同参加を制度化し、現在は完全に民間にその運営が移管された。また、イスラエルの人々の市場開放的な考え方は、外国企業が資本参加をすることまで認め、結果的にイスラエルでは多国籍企業に買収合併（Ｍ＆Ａ）されることを目標にする技術創業が一般化された。もちろんいまは先端創業をイスラエルの地場企業として育成させることにも重点を置くべきという主張が広がっている。だが開発された技術とアイデアをいち早く世界市場に進出させ、その経済的価値を現金化できるならば誰が所有したとしても関係ないという認識が強い。認識でグローバルスタンダードを備えているのだ。

２番目、イスラエルの盛んな創業の秘訣はリスクの合理的負担とこれによって形成された失敗に寛大な創業環境だ。若者たちが創業をしようとしても投資家は見つからず家族の投資に頼る傾向が強い。だが、イスラエルは先輩の創業企業家がいわゆるエンジェル投資家として創業失敗のリスクを支えてくれる。これで若い創業企業家は負担なく自分たちの技術とアイデアを実験することができる。

３番目、イスラエルの創業環境で注視すべきなのは、創業を夢見る若者たちのグローバル市場に向かった大胆さすら感じるチャレンジ精神だ。創業する若者たちが準備する事業説明書の２ページ目はすでにグローバル市場進出計画だ。このような伝統はイスラエルが人口８００万にすぎない小さな市場のため、若者たちの夢を満たすためにはグローバル市場を眺めるほかはない環境で形成された。韓国とイスラエルが互いに制度と慣行を交流し両国ともに成長動力になる国民の創意的ＤＮＡを刺激することを期待する。

金一秀（キム・イルス）駐イスラエル韓国大使




【時論】韓国・イスラエルは「創意」のパートナー（１）