【社説】新古里原発再開という青瓦台の立場表明、内容・形式いずれも残念だ
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.10.23 13:30
公論化委員会の新古里(シンゴリ)5・6号機の建設再開勧告に対する立場を文在寅(ムン・ジェイン)大統領が2日後である22日発表した。該当原発の建設を早急に再開する一方で、新規原発を建てず既存の原発も寿命延長をしないなど脱原発政策は変わりなく継続すると明らかにした。約束した通り、委員会の勧告を尊重して支持層に大乗的に受け入れるように呼びかけた点は評価できる。だが、立場発表の形式や内容の面で国民の期待に大きく及んでおらず残念だ。
まず、非現実的な大統領選挙公約を前面に出して破棄せざるを得なくなった点と工事の中断で予算の無駄遣いを招いた誤りなどに対して遺憾表明一言もなかった。新政府の無理な5・6号機工事の中断措置で協力会社への被害額が1000億ウォン(約100億4894万円)に達し、公論化委が3カ月間使った活動費も46億ウォンに達する。業界と学界、環境団体と地域住民が争うことでもたらされた社会的葛藤費用は数え切れないほど多い。公論化委が20%ポイントに近い大きな格差で工事再開側の軍配をあげたのは、建設中である新古里原発の廃棄に無理に出た新政府の独りよがりに対する国民的ブレーキだ。しかし、文大統領はこのような誤りを認めて許しを求めるという言及が全くなかった。
メッセージの形式も残念だった。疎通を強調してきた大統領であるだけに、国民の前に出て率直な立場を明らかにすることを期待した。文大統領はその代わりに、1800字分量の「書面立場」を青瓦台(チョンワデ、大統領府)記者団サイトである「e春秋館」に掲載した。同日開かれた北朝鮮道民体育大会まで訪問した大統領がこのように重大な国家大事業になぜ姿を現さなかったのか気になる。