全国公務員労働組合(全公労)が今年9月、組合員を対象に行なった教育に、北朝鮮の主体(チュチェ)思想に非常に似ているテキストが使われていたことが分かった。同テキストは、論理の展開や概念の定義、用語などの面で、北朝鮮・金正日(キム・ジョンイル)国防委員長が、1982年に著述した『主体思想について』のそれと非常に似ている。
「人」についての認識を含め「自主的な思想意識の基礎になるのは階級意識」などといった表現は、ほぼ同じだ。なぜ、公務員にこうした教育を行なったのかについて、全公労は釈明せずにいる。やがて、この国は、公務員が主体思想の教育を受ける国になった。主体思想とは何か。朝鮮労働党の最終的な目的は「社会の主体思想化と共産主義社会の建設」だと、規約に記されてある。