【時論】核心を避けていく韓国政府のR&D革新案(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.07.03 11:25
こうした過程が十数年繰り返される中で韓国のR&Dには大筋が見当たらない。部署あるいは事業間の泥仕合的な予算闘争で莫大な資源を浪費している状態だ。これを改善するために過去の政権では「科学技術革新本部」や「国家科学技術委員会」という長官級の組織を立ち上げ、混乱だけを残して明確な説明もなく消えた。現在は未来創造科学部の「国家科学技術審議会」が類似の機能をしているが、数多くの任意的な委員会で構成されたこの組織は、専門性や権限などすべての面で疑問視されている状況だ。ところで今回の革新案は、未来部内3局を統合して次官級がトップの「科学技術戦略本部」をつくるということだ。予算調整の権限が弱く以前より専門性が向上するという保障もないこの次官級組織が、その役目を果たせないことは明らかだ。
それでは、どのようにするべきか。答えは簡単だ。部署の利害関係をこえて企画し、事業の執行をモニターできるコントロールタワーで国家的レベルのR&Dの青写真を組み、これを基に投資優先順位を定めて方向性と分野を部署に提示し、研究事業と出資研究所の運営は最大限研究主導者に任せなければならない。予算編成と調整権限を持つこの組織は政府の構造上、大統領室あるいは首相室に設置されてこそ機能できる。