【社説】期待より懸念が先立つ習近平氏の訪朝
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.06.20 10:39
習近平中国国家主席がきょうから北朝鮮を訪問する。金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長がドナルド・トランプ大統領に親書を送り、米朝交渉再開の可能性が予想されるなど微妙な時点に行われる訪朝だ。28日大阪G20首脳会議を契機に開かれる米中首脳会談を目の前にした時点でもある。
韓国は習主席の訪朝を契機にハノイノーディール以来停滞局面に陥った非核化交渉が回復されることを期待している。仲裁者や促進者の役割を韓国が引き受けようが中国が代ろうが、非核化に実質的な進展が行われることができればいくらでも歓迎できることだ。
だが、習主席が訪朝を決断した戦略的背景を考えてみると、懸念されるところが少なくない。まず、米国との貿易戦争で今回の訪朝をテコにしようとするのではないかという疑問を拭えない。中国ならではの北朝鮮に対する影響力を誇示して北朝鮮との密着を強化することで米国に対抗するカードとして活用しようとする思惑が読まれるためだ。中国国営放送が最近、集中的に6・25(韓国戦争)関連映画を編成して69年前の「抗米援朝」を振り返っているのもこの思惑とつながっている。韓半島(朝鮮半島)の運命がかかっている問題が米中覇権競争のカードとして活用される現実は極めて深刻なことだ。