与党・共に民主党の金海永（キム・ヘヨン）最高委員が１９日、「景気下方リスクが高まる時点で、今回の最低賃金は最大限に据え置きに近い決定をしなければいけない」と述べた。この日午前に開いた党拡大幹部会議でだ。

党最高委員が最低賃金「据え置き」に公式言及したことで、民主党関係者はこれに反応している。会議に出席したある関係者は「公開的な席で『据え置き』という表現を使うとは思わなかった。驚いた」と語った。この日は最低賃金委員会が第３回全員会議を開き、来年度の最低賃金について本格的に議論を始めた日でもある。

最近、民主党内で「最低賃金速度調節論」が出ていたが、党最高委員が「据え置き」に言及したのは異例だ。会議後に金最高委員は「党論でなく個人的な意見」と説明した。金最高委員は中央日報との電話で「選挙区の釜山（プサン）に中小企業と自営業者が多いが、みんな苦労している。このような姿に接して、公開された会議で伝えることになった」と語った。

民主党は最低賃金について依然として慎重な雰囲気だ。これに先立ち最高委員会などでは「最低賃金を据え置くには社会安全網の拡大を同時に話さなければいけない」などの慎重論に重点を置いていた。しかしこの日、党内部では「正しい話をした」という声が少なくなかった。

民主党内で経済に詳しい崔運烈（チェ・ウンヨル）議員も「来年は象徴的に最低賃金を据え置く必要がある」と主張した。崔議員は「使用者に余力があれば問題はないが、この２年間で３０％近く上がって負担が大きい。さらに上げれば対応できるだろうか」と述べた。民主党のある重鎮議員は「理念的に接近するのではなく実事求是的に考える必要がある」とし「その間、賃金があまりにも大きく上がって雇用が減ったのは事実。受ける人の立場だけで考えてはいけない」と指摘した。

民主党の李仁栄（イ・インヨン）院内代表はこの日午前、ソウル中区（チュング）プレスセンターで開かれた寛勲（クァンフン）クラブ招請討論会で、最低賃金関連の質問に対して原則的な答弁だけをした。李院内代表は「最低賃金引き上げ率について『今年は据え置こう』『物価上昇率を反映して適切に決めよう』などの声があり、総合的に判断すべきだと考える」とし「最低賃金委員会の独立性と中立性を保障し、客観的な判断過程を見守る必要がある」と答えた。

民主党の気流の変化は来年の総選挙を控えて地域の民心が尋常でないためという分析が多い。地域経済が厳しくなり、民主党の最低賃金政策に対する反感が強まっているということだ。これに先立ち文在寅（ムン・ジェイン）大統領も先月９日、速度調節を公式化した。就任２周年対談で「２０２０年までに最低賃金１万ウォン」という公約について「公約にこだわって無条件にそのペースで引き上げるというものではないと考える」と発言した。

最低賃金委員会は来年度の最低賃金を２７日までに決定する予定だ。労働界と財界の駆け引きはすでに始まっている。今年の最低賃金は１時間あたり８３５０ウォンと、前年（７５３０ウォン）比１０．９％上がり、１８年度と比べると１６．４％上昇している。勤労者委員はひとまず来年の引き上げ率を１９．７％で要求すると予想される。一方、中小企業中央会と小商工人連合会の１５の中小企業団体は１８日、ソウル汝矣島（ヨイド）の中小企業中央会で最低賃金据え置きを主張する緊急記者会見を開いた。