【時論】韓国の脱北女性従業員拉致議論と人権ジレンマ(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.08.01 13:01
中国浙江省寧波の北朝鮮レストランの柳京食堂で2016年に発生した女性従業員ら13人の集団脱出事件をめぐり「企画脱北」議論が大きくなっている。国家人権委員会は先月29日、女性従業員の集団脱北事件に対し職権調査を決めた。これに先立ち行われたトマス・オヘア・キンタナ国連北朝鮮人権特別報告官の記者会見が契機だった。彼は「従業員のうち一部がどこへ行くのか知らない状況で韓国に来た。自分たちの意思に反して拉致されたものならば犯罪と見なさなければならないだけに、韓国政府が真相調査を通じて責任者を究明しなければならない」とした。これに対し統一部報道官は定例会見で「女性従業員は自由意志により(韓国に)入国したもの承知している」として既存の立場を再確認した。
今回の議論は5月にJTBCのインタビューで女性従業員を連れ出した柳京食堂支配人のホ・ガンイル氏が「女性従業員が自由意志で韓国行きを選択したのではない」と主張して始まった。当時ある女性は放送に出演し「北朝鮮への送還を望む」という趣旨の発言もした。こうした陳述は朴槿恵(パク・クネ)政権当時に国家情報院が2016年4月の総選挙のために企てた「企画脱北」ではなかったのかとの議論に油を注いだ。民主社会のための弁護士会はすぐに当時のイ・ビョンホ国家情報院長ら4人を国家情報院法違反と逮捕・監禁罪容疑で検察に告発し、ソウル中央地検は捜査に着手した。