【コラム】他国の教科書を非難する前に
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2009.10.16 12:01
生きていれば時々腹立たしいことが生じる。しかしその後に「自分も同じようなことをして人に嫌な思いをさせていないだろうか」と自問するのが普通の人の心情だ。個人的なことではなく、国のレベルでも同じことではないだろうか。先日、「外国教科書の大韓民国は栄養不良、援助受ける国」(中央日報10月13日付1・3面)記事を読みながら考えたことだ。
韓国学中央研究院が59カ国・1147教科書の韓国関連記述を分析したところ、半分を超える590の教科書から誤りが見つかったという。内容を見ればさらに怒りがこみ上げてくる。チリの教科書は韓国を「栄養不良国」、パラグアイは「ポルトガルの植民地」と書いている。「中国語を使う」(アルゼンチン)、「軍出身が統治する」(イタリア)、「後進国」(イラン)、「世界文化遺産がない」(メキシコ)など、誤解と偏見もさまざまだ。朝鮮末期にこの地を訪れた西洋人が残した「路上が人糞だらけの汚い国」「東アジアで最も怠けた卑怯な民族」のような記録をそのまま引用しなかっただけでも幸いと思わなければならないのだろうか。
しかし怒りを感じて終わるのではなく、外国に韓国の本当の姿を積極的に知らせなければならない。外国の教科書の筆者が意図的に誤った内容を記述したわけではないはずだ。古い資料と韓国に対する偏見が重なってこうしたことが発生したのだろう。日本も外国教科書に記述された自国関連の誤りを正すのに大変な努力をし、費用もかけた。1958年に外務省傘下「国際教育情報センター」を設置し、20年以上にわたり世界の2万余りの教科書を分析した後、最新資料を提供し、修正を求めた。その結果、50年代に約80%あった日本関連の誤りが、80年代には欧州10%、米国8%、オーストラリア2%、東南アジア30%へと大幅に減った(84年日本外務省発表)。韓国は韓国学中央研究院の担当者が6人しかいないため、収集した1万9000種類の外国教科書を分析するだけでも66年以上かかるというのだから言葉を失う。