【中央時評】くだらない韓国の保守政治(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.05.31 14:01
一方、ゴールドウォーターは洪準杓と正反対に進んだ。当時、大統領陣営の財政を引き受けたウィリアム・ミデンドルフはこのように回顧した。「ゴールドウォーターは敗北が明確になると政治広告を中断させた。陣営が集団で反発した。しかし彼は『むしろその資源を惜しんで保守政治の再建に使おう』と忠告した」。実際、64年の大統領選挙惨敗は米国の保守政治を大きく変えた。米共和党はリンカーン以来、奴隷解放の根拠地だった東北部地域が票田だった。しかし大恐慌後、ルーズベルトの民主党に相次いで敗れた。ゴールドウォーターは民主党を真似る無気力から抜け出そうと共和党の票田をテキサスなど南部地域に移した。また、小さな政府、減税、福祉政策縮小など保守政治路線を鮮明に掲げた。
64年の惨敗後、米国には完全に新しい共和党、保守革命が始まった。まず保守が若くなった。65年にニューヨークの20代の知識人が季刊誌を創刊し、成長と家族を擁護し始め、大学生も自発的に「自由のための若い米国人」を組織した。ここに30代の若い知識人がシンクタンク「ヘリテージ財団」を設立し、個人の自由、小さな政府、減税、自由な企業活動など新しい議題を掌握した。何よりも新しい保守政治家の誕生が目を引いた。B級俳優だったロナルド・レーガンは64年、ゴールドウォーター候補の全党大会で優れた演説をし、スターになった。2年後、彼はカリフォルニア州知事に、ジョージ・H・W・ブッシュは下院議員に当選した。未来の共和党大統領の種がまかれたのだ。ゴールドウォーターの側近ミッデンドルフは40年が過ぎた後、著書『栄光の惨敗』で当時の敗北を「栄光の災難(Glorious Disaster)」と振り返った。実際、その後の13回の米大統領選挙で共和党が8回も勝利したからだ。94年に共和党が60年ぶりに下院多数党まで握ったのは保守革命のおかげだった。