大統領は勤務時間、この広くて静なところで一人で過ごす。秘書室長・国家安保室長、首席と秘書官は４００－５００メートル離れた建物にある。大統領と会うのに室長と首席は事務室から歩いて下り、車に乗る。そしてゲートを２つ通過して本館で降り、階段を上がらなければいけない。秘書官は車ではなく１０分近く歩く。

こうした構造は２つの深刻な問題を抱えている。大統領の孤立と疎通の非効率性だ。大統領と参謀が遠く離れているのは、夫婦が別々の部屋を使うようなものだ。インターネットやスマートフォンがあるが、重要な国政はオンラインだけではできない。大統領は人のにおいを嗅ぎながら仕事をしなければならない。いつでもすぐに顔を見ながら協議してこそ、事案の本質に正確に接近できる。

非効率も大きな問題だ。韓国はいつも安保脅威に露出した対峙国家だ。いつ急変事態や挑発があるか分からない。北朝鮮のミサイルは数分でソウル上空までくる。大韓民国の秘書室長・国家安保室長より早く青瓦台本館の上に到着する。世宗（セジョン）市建設に対する最も大きな懸念も疎通の非効率だった。行政府の頭脳も分けられて遠くにあるこの国は、国家の中枢部まで団地のように離れている。

先進国はこのように愚かなことはしない。大統領の孤立を防ぎ、疎通を最大化するため、大統領・首相と参謀を固めておく。執務室の配置は韓国のような分離型でなく、徹底的に密集型だ。大統領と参謀がノータイ姿であちこちの部屋に集まり、コーヒーを飲みながら国の仕事を論じる。このため少なくとも国民が疎通を疑うことはない。

国家改造のためには大統領の執務室を改造するべきだ。必要性を知りながらも歴代政権はできなかった。朴槿恵大統領は与党代表時代、天幕で過ごした。臨時に天幕で執務することもできるという覚悟で、執務室のリフォームに入るべきだ。


【社説】大統領執務室を改造すべき＜１＞“別室夫婦”の朴大統領と参謀（１）