【中央時評】北朝鮮への食糧支援はどうすべきか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.05.22 14:00
北朝鮮への食糧支援が焦眉の関心事に浮上したが、決定を出すのは容易でない。人道的支援という原則と対北朝鮮制裁という状況が衝突するところにこの問題があるからだ。北朝鮮政権を非核化に向かわせるには、制裁が経済危機をもたらして深刻な政治的圧力につながらなければいけない。この過程で住民の所得と消費が大きく減少するのは避けられない。しかし食糧難が脆弱階層、特に幼児、胎児と妊婦、授乳女性の生命や健康に致命的な影響を招く場合、これは生存権という最も重要な人権の保護に反する。
韓国政府は国連世界食糧計画(WFP)・食糧農業機関(FAO)の報告書が出てくると、待っていたかのように食糧支援という雰囲気を高めた。一部ではこれを通じて非核化動力を回復できると主張するが、これは希望事項にすぎない。むしろ間違った支援で制裁の効果が半減させれば、非核化の可能性はさらに遠ざかる。北朝鮮は食糧と石油があれば自力更生できると信じるだろう。食糧が支援され、石油を密輸すれば、今年だけでなく来年とその後も持ちこたえられると考えるかもしれない。特に制裁によって職場を失った鉱夫に配給を与え、無煙炭をさらに生産させれば、火力発電量は増え、産業稼働率も上がると判断する可能性がある。