ロンドン五輪の中心地だった五輪メーン競技場は長期的な再開発プロジェクトの一部として都市計画のモデルに変貌している。この計画によると、メーン競技場は広い緑地を持つ公園と１万１０００戸の新しい住宅、学校と病院、７５キロのハイキング・自転車コースなど素晴らしい地域に変わる。ここはもともと産業廃棄物が積まれていたところだ。新しく変身した競技場は持続的な経済成長を導いている。すでにティンバーレイクなど多くの世界的な歌手がここでコンサートを開いた。ボルトをはじめとする多くの五輪スターメダリストはここで３日間、ロンドン五輪１周年記念競技を行い、大勢のスポーツファンが集まった。ロンドンの五輪関連の８カ所の競技場は、五輪が終わった後にもすべて積極的に活用されている。

五輪の遺産はメーン競技場だけに残っているのではない。今後の数年間、ロンドンの市民や訪問客は五輪開催のために投資された新しい交通システムの恩恵を享受できる。関連工事のために数万件の雇用も創出された。世界的な不況の中で五輪が経済成長を引き出したのだ。五輪で英国は９９億ポンド（約１６兆８６００億ウォン）にのぼる貿易・投資増加効果を得たほか、ビジネスがしやすいところというイメージを国際社会に植えつけた。

２０１６年夏季五輪を開催するブラジル・リオデジャネイロの市民も五輪の準備の一環である新しい地下鉄システムの恩恵を受けている。来年冬季五輪を開くロシア・ソチだけでなく、平昌でも五輪の遺産を主導できるプロジェクトが実行中だ。

プラスの結果は自動的に生じるものではない。ＩＯＣは五輪開催都市と協力しながら五輪が残す遺産に重点を置く。ロンドン組織委員会はビジョンを見せたリーダーシップとともに、政府官僚との緊密な協力を通じてオリンピックゲームに対する投資を引き出した。その効果は開催１年後の今はもちろん、今後も続いていくだろう。平昌も成功し、スローガンのように「新しい地平」を開くことを期待する。

ジャック・ロゲ国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）委員長




【特別寄稿】ロンドンが平昌に残したもの（１）