【時視各角】海のないスイスの海運大国の秘密(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.09.13 15:48
今世界1位の海運企業はデンマークのマースクだ。マースクは内部に銀行を置くほどの巨大グループだ。世界2位は意外にもスイスのMSCだ。スイスは陸地に囲まれた山岳国家として湖はあっても海はない。アポンテ一族が所有するMSCはDNAからして多国籍だ。イタリア生まれの創業者がスイスに作った会社だ。船舶に孫たちの名前をつけるほど息の長い経営をしている。永世中立国であるスイスの長年の生存の知恵にMSCの開放性が化学的に結びついたことが世界2位の海運大国に上った秘訣だ。
MSCは単純な意志決定の構造と果敢な勝負の賭けが圧巻だ。1998年の外国為替危機時に韓国ウォンは暴落し、韓国の造船所は外貨を渇望していた。MSCは果敢に韓国造船所に安く船舶を発注した。遠からず海運市況が回復するとMSCは世界2位へとそびえ立った。2008年からは一歩先に立って構造調整に着手した。船舶の売却、人員の縮小などで果敢に規模を小さくしたのだ。「敵と同床」も辞さずに世界1位のマースクと海運同盟を結んだ。この頃のMSCは記録的な営業黒字行進を継続している。