【時視各角】習近平も触れられない金正恩(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.01.11 15:11
金正恩は賢い。自国の地政学的な価値を知っている。中国は自国にむやみに行動できないと信じて核・ミサイル実験をする。内心、中国も北の核を楽しむ雰囲気だ。「北朝鮮をこらしめてほしい」と要求するほど中国の国際的な価値が高まるからだ。こうした中国を韓国が動かすのは容易でない。朴槿恵(パク・クネ)がいくら「天安門望楼」外交をしてもできないことだ。米国も同じだ。米国の政治指導者にとって北の核は政治・外交的投資価値を全く感じない事案だ。しばらくすれば過ぎ去っていく潜在的な脅威にすぎず、有権者の票にならない。米国が今回も「水素爆弾ではない」と努めて低く評価する理由だ。
金正恩の核のいたずらは続くだろう。「核・ミサイルを発展させて核保有国と認められるべき」というのが金正日(キム・ジョンイル)の10・8遺訓だ。しかし北朝鮮にも「労働党より市場がさらに強い」という言葉がある。原油・コメ・金融がふさがれば、北朝鮮は生存が難しい。依然として北朝鮮の運命は米中が握っているということだ。米国が積極的な姿勢に転じるのは2つの場合がある。一つは北朝鮮の核・ミサイルが米本土の上空を通ることだ。もう一つは北朝鮮がイスラム国(IS)やアルカイダなどテロ集団に核物質を渡す場合だ。米国の有権者が肌で危機を感じてこそ米政界が命をかけて動く。