趙広来（チョ・グァンレ）監督の理想は高い。スペイン式サッカーを目指す。確率の高いショートパスで相手を崩していく巧みなサッカーだ。漫画に出てくるようなサッカーという意味で「漫画サッカー」とも呼ばれる。

趙広来監督は１月に開催されたアジアカップでパスサッカーの可能性を見せた。しかし理想を現実にするのは決してやさしいことではない。趙広来監督はパスワークが優れた日本代表にパスサッカーで対抗し、３－０の完敗を喫した。

中東予選２連戦でも弱点を表した。現在の‘漫画サッカー’の現実は、国際サッカー連盟（ＦＩＦＡ）ランキング１４６位のチームにも勝てない。

現在の問題をどう受け止めればよいのか。趙広来監督は、一段階飛躍するために必ず越えなければならない中間過程、と見ることを望むだろう。しかし韓国サッカーには韓国サッカーだけの伝統がある。華麗なパスサッカーもよいが、力を前面に出して相手と激しくぶつかる韓国独特の長所も生かすことを模索しなければならない。

欧州サッカー版図を変えているカペッロ・イングランド監督の実利サッカーが、現在のＡ代表チームに示唆する点は多い。カペッロ監督はウェイン・ルーニー（２６、マンＵ）を懲戒で失い、スティーブン・ジェラード（３１、リバプール）とリオ・ファーディナンド（３３、マンＵ）をコンディション乱調とけがで招集できなかった。

しかしやや華やかさには欠けるが、イングランドサッカーだけの長所を生かして、ＦＩＦＡランキング１位のスペイン、イングランドが４３年間勝てなかったスウェーデンを連破した。