【時視各角】疾走する韓ロ経済協力、スピードの出し過ぎに注意せよ

【時視各角】疾走する韓ロ経済協力、スピードの出し過ぎに注意せよ

2018年06月26日13時01分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  文在寅(ムン・ジェイン)大統領のロシア訪問がなされた先週のモスクワ。時を合わせて開かれた「韓ロ対話フォーラム」への参加に向け訪れたこの古都では両国間の協力ムードが高まっていた。

  文大統領に対するロシア側の接遇から丁重だった。大統領インタビュー記事は有力紙であるロシスカヤ・ガゼータに全面で載せられ、韓国の首脳としては初めてという下院での演説も実現した。プーチン大統領との首脳会談との夕食会も和気あいあいとしていた。20日にサンクトペテルブルク大学の校庭には小説『土地』を書いた朴景利(パク・キョンリ)の銅像が立てられた。こうしたソフトな雰囲気は今後両国がともに分かち合うものが大きいとみられるためだろう。ロシアが推進中の新東方政策と文在寅政権の新北方政策の間の積集合が莫大という話だ。

  事実、新北方政策だからと特に新しいものはない。盧泰愚(ノ・テウ)政権以来ほとんどすべての政権が同様の北方政策を試みたためだ。金泳三(キム・ヨンサム)政権の時を除き、太陽政策(金大中政権)、平和繁栄政策(盧武鉉政権)、資源外交(李明博政権)、ユーラシアイニシアチブ(朴槿恵政権)など、名前は違うがロシアとの協力事業が推進された。北朝鮮リスクによりこれといった成果は出せなかったが。

  だが北朝鮮が変化の兆候を見せて状況が変わった。各種協力事業が新たに検討されており、このうち早く進んでいるのが南北ロ鉄道プロジェクトだ。きょう板門店(パンムンジョム)では南北の鉄道をつなぐための鉄道協力分科委員会が開かれ、これに先立ち7日には韓国が旧共産圏国が主軸になった鉄道国際協力機構(OSJD)加盟に成功した。

  こうした努力が光を見れば釜山(プサン)で積んだ貨物が東海岸に沿ってウラジオストクまで行った後、シベリア鉄道で欧州に到着する夢がかなえられる。45~50日かかっていた海路の半分に減るのだ。ガス管プロジェクトも見通しが明るい分野だ。シベリアから韓国までガス管をつなげばソウルでロシア産ガスを使える日が来る。

  だが肝に銘じるべきことは、あちこちに見えない罠が隠れているという事実だ。最も深刻なものは相変わらず北朝鮮リスクだ。完全な非核化がなされない限り国際社会の対北朝鮮制裁は解けないだろう。対北朝鮮制裁を1年延長することにしたトランプ政権の22日の決定がこれを端的に示す。

  米ロ関係も深刻な変数だ。両国はシリアとウクライナ問題で共産圏没落以降最悪の関係になった。こうした状況でロシアと過度に接近すれば米国が北朝鮮非核化過程から韓国を締め出しかねない。いつか北朝鮮のインフラ改善に途轍もない資源を注がなければならない韓国がこれを極東に注ぎ込むのが正しいかも疑問だ。資源というものは限定されたものだ。

  そうした計画でも妥当性の有無は冷静に問い詰めなければならない。欧州行き製品を東海岸と北朝鮮を経てシベリア鉄道で輸送しようという夢から超えなければならない難関はひとつやふたつではない。

  まず釜山一帯から送るほどの輸出品が多くないということから問題だ。このため東海線を活用するには首都圏などで作った物を釜山に送った後、そこから再び北に運送しなければならない。結局最初からしっかり考えて事業を始めなければ途中であきらめることが起きることになる。

  このため現政権は雰囲気ばかりとらえて実際のロシアとの協力事業で思いもよらない過ちを繰り返してはならない。極東地域開発だけでなく北東アジアの集団安保体制構築にも大きな役割をする国がロシアだ。実益のない雲をつかむような約束で信頼を失えば大きな代価を払うことになる。飛行機は楽観論者が発明したのが事実だ。だが悲観論者は落下傘を作り出した。世の中はこのふたつともに必要とするのだ。

  ナム・ジョンホ論説委員

  
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