【取材日記】仁川空港に行くバスに乗ってみましたか?
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.10.13 09:51
ソウルと仁川(インチョン)空港を行き来する空港バスをよく利用する記者はバス料金が適正でないと感じる。それで同じ車種の28人乗りバスと比較してみた。ソウルと仁川空港をつなぐ空港バスの1キロあたりの料金はデラックス高速バスや市外バスの3倍だった。こうした事実が記事化すると、空港バス料金が高いということに共感を示すネットユーザーが多かった。空港バスの免許を出したソウル市が動いて料金を引き下げるべきだという意見もあったし、空港バスが少数の乗客だけを乗せて運行する場合が多いため、バス事業者の収益性を考えれば現在の料金は適正だという反論もあった。
実際にがら空きで運行する空港バスを、満席で運行する高速バスや市外バスと単純比較するのは無理があるかもしれない。では、ソウル地域の空港バス1位事業者が金融監督院に申告した資料を見てみよう。昨年の営業利益率は20%であり、これは高速バス1位事業者である錦湖(クムホ)高速の営業利益率(12%)よりはるかに高く、国内トップ企業であるサムスン電子の営業利益率(13%)を上回る。このバス会社は2002年から昨年まで13年連続で黒字を出している。なら、この料金が空席の損失を満たしても余ると推定しても無理はないようだ。
こうした料金はソウル市が保障したものだ。ソウル市は空港バス事業者に限定免許を付与し、料金を事業者が決めることを認めた。限定免許とは、交通需要が不規則で一般路線バスの運行が難しいところの運送事業者に発行する免許をいう。高速バスや市外バスを運営する事業者が受ける一般免許とは違う。仁川空港が開港した2001年はまだ交通需要予測が容易でなかったという点で、ソウル市が空港バス事業者に限定免許を与えることもあるだろう。しかし今は事情が違う。仁川空港の利用客は毎年、爆発的に増えている。それでもソウル市の担当者は「今すぐ料金引き下げを勧告する計画はない」とも話した。