しかし尹前報道官が警察の捜査を避けて逃避性の帰国をしたことで、状況は変わった。米連邦法（ＵＳ　ｃｏｄｅ　１０７３）によると、犯罪行為をした後に捜査を避けようと海外に逃避した場合、最大５年刑の犯罪に該当するからだ。セクハラ容疑では犯罪人引き渡し請求対象にならない可能性が大きいが、逃避罪のために犯罪人引渡し対象になる可能性がある。

バージニア州の刑事法専門家ミン・スヨン弁護士は「現在報道された内容だけを見ると、尹前報道官の行為はセクハラ軽犯罪に該当する」とし「しかし警察の捜査の結果、有罪が認められる場合、検察は捜査を回避して帰国した行為に対して令状を請求できる」と述べた。もちろん尹前報道官が米国に入国し、捜査に協力する場合、逃避容疑は自動消滅する。

ワシントン消息筋は「朴大統領の訪米成果に汚点が残るか懸念して尹前報道官を早期帰国させたことが事態を拡大させた」と指摘した。セヌリ党政治刷新特別委委員を務めた李相敦（イ・サンドン）元中央大法大教授は「尹前報道官は事件当時、高位公務員だったため、韓国政府に対する損害賠償責任問題が提起されることもある」と主張した。この日、ＭＢＣ（文化放送）ラジオ番組「イ・ジェヨンの視線集中」に出演した李元教授は「米国は外国政府やその公務員が米国市民に不法行為で被害を与えた場合、米国市民が被害の賠償を受けられる特別法の外国人主権免除法を制定した」とし「その場合、韓国政府が民事訴訟の被告になって恥をかくことになる」と述べた。

李元教授は青瓦台の指示で尹前報道官が帰国したのが事実と確定する場合、「司法妨害罪」に該当すると指摘した。「青瓦台高位職など上層部ラインが尹前報道官を逃避させるのに関与したとすれば、米国法上の司法妨害罪を構成する可能性が高い」とし「司法妨害罪はセクハラより重い犯罪で、ニクソン元大統領の弾劾事由だった」と述べた。


＜尹昶重セクハラ疑惑＞「訪米成果の汚点を懸念した早期帰国が事態を拡大」（１）