【コラム】文在寅大統領が「雇用大統領」として記憶されるには
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.06.28 08:48
どんな組織でも個人の業績を評価する内部構成員だけのものさしがある。現われた成果とは別に何が実際に難しいことなのかよくわかるためだ。たいてい比較的容易な業績をたくさん積んだ人よりは本当に難しいことや決定をやり遂げた人が長く記憶される。
何年か前に退任する韓国銀行金融通貨委員に所感を尋ねると、「金利を一度も上げられずに離れるのが残念だ」という答が返ってきた。意外だった。当時の経済状況で金利引き上げは考えることすらできないことだったためだ。むしろ景気浮揚のために金利をさらに下げるべきという要求が激しかった。だから上げなければならない時に上げられなかったという悔恨ではなかった。それよりは韓国銀行内で後々まで「金利も一度も上げられなかった金融通貨委員」として記憶されることに困惑したのだろう。来年3月までが任期である李柱烈(イ・ジュヨル)総裁が最近金利引き上げのシグナルを送り出したのにはおそらくそうした焦燥感も一役買っているだろう。