李栄杓がアジアカップを最後に引退した後、金英権がそのポジションを受け継いだ。金英権はオリンピック（五輪）代表の中央ＤＦだった。結果は悪くなかった。金英権とチャ・ドゥリを左右に布陣させた韓国は６月、セルビアとガーナをともに２－１で降した。

問題は金英権やチャ・ドゥリが抜ければ、あっという間に競技力が落ちるという点だ。さらに大きい問題は代表チームに適切な交代選手がいないことだ。日本戦で金英権の代わりに朴原載（パク・ウォンジェ、２７、全北）と朴柱昊（パク・チュホ、２４、ＦＣバーゼル）を起用したが、結果は良くなかった。

クウェート戦ではチャ・ドゥリの代わりに金在成（キム・ジェソン、２８、浦項）が入った。失点した場面で金在成はＧＫ鄭成竜（チョン・ソンリョン、２６、水原）ともつれて倒れた。その間、クウェートのフセイン・アリが誰もいない韓国ゴールにボールを蹴り入れた。金在成は所属チーム（浦項）では中央ＭＦとしてプレーしている。

趙監督はなぜ金在成をチャ・ドゥリの位置で起用したのか。クウェートに遠征した韓国代表チームの交代選手の中にはウィングバックがいない。Ｋリーグと海外リーグでプレーする資源は少なくないが、趙監督はウィングバックの位置をＭＦに変えた理由を十分に説明しなかった。

専門家らが挙げる代表チームのウィングバック候補は洪喆（ホン・チョル、２１、城南）、尹錫栄（ユン・ソクヨン、２１、全南）、朴柱昊、朴原載だ。パク・ムンソンＳＢＳ（ソウル放送）サッカー解説委員は「金昌洙（キム・チャンス、２６、釜山）、イ・ヨン（２５、蔚山）も代表チームに呼んで育てる必要がある」と提案した。

韓国は３次予選の２試合で１勝１分け（勝ち点４）をマークした。最終予選進出は可能とみられる。しかし最終予選では日本・豪州・サウジアラビアなどさらに強い相手とぶつかるため、ウィングバックの問題を解決しなければならない。選手の負傷はいつでも起こりうる。しかも３年後にはチャ・ドゥリが３４歳となる。信頼できるバックアップメンバーが必要だ。

一方、Ｃ組の日本はウズベキスタンと１－１で引き分けた。Ｄ組の豪州はアウエーでサウジアラビアを３－１で破った。


埋まらない韓国サッカーの弱点、ウィングバック（１）