中国人観光客が財布を開きに来るのに…規制に縛られる韓国の免税店市場(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.11.19 11:24
チェ・ヨンス前免税店協会会長は、「免税店は初期に施設費など大規模投資が必要で、最小10年で位置づけを固める。5年間の事業をするためにだれが数百~数千億ウォンを投じ、だれが従業員を正規職で採用するだろうか」と問い返した。彼は「世界の人を相手にするのに国内独寡占は意味がない。こうした政策をすれば中国人観光客をすべて日本に奪われる」と懸念する。制度の不確実性で企業が投資を減らせば免税店事業所の競争力が落ち、ブランドが出店を敬遠して結局観光客にそっぽを向かれるほかはないという話だ。免税店に入店しているエニ通商のハン・ウンヒ代表は、「来年春に納品する製品が今月中に船積みされるがキャンセルしなければならない状況。外国人と取り引きするために何十年にわたり信頼を積んできたがこんな形で崩れるとは話になるか」ともどかしげだ。ハン代表は「中国人観光客が好むブランド企業などは特に中長期的な信頼と取り引き関係を重視するが、このままなら韓国の免税店に出店しようとしないだろう」と厳しい忠告をした。
現行の関税法は基本的に免税店を「特恵」とみている。そのため特定企業が長く事業をしたり寡占状態になるのを防ぐことに重点を置く。これに対し海外では政府が率先して免税店の大型化を支援している。免税店は規模が大きい事業者であるほどブランド誘致と価格交渉力が高まり消費者に多様な免税品を安い価格で販売できるためだ。また、直接商品を購入して販売するため在庫管理能力も必須だ。ここで生き残れなかった免税店は事業を売却したり返却するほかなく、世界の免税店市場は生き残ったグローバル強者の角逐場へと流れている。実際にスイスのデュフリーは2013年に世界2位だったが昨年業界7位だったスイスのニュアンス、今年はイタリアのWDFを買収し、米DFSを抜いて1位に上り詰めた。業界4位の仏LSトラベルリテールもやはり8月に北米地域免税店運営事業者のパラダイスを買収し規模拡大に乗り出した。免税店企業上位4社が世界市場で占める割合は2010年の16%から昨年は25%に拡大した。