【インタビュー】カンヌ映画際で好評を受けた奉俊昊監督
すべてはキム・ヘジャのためだった。幼い頃から奉俊昊(ポン・ジュノ)監督(40)はタレントのキム・ヘジャの熱烈ファンだった。キム・ヘジャの代表作「田園日記」のキム会長宅の夫人の名前まで正確に記憶していた。キム・ヘジャがチェ・ブルアムと夫婦として全国民に名前が知られたのは「田園日記」が初めてではなく、放送時間になれば全国の水道計器が止まると言われるほど人気を呼んだMBCドラマ「あなた」(1978)だった。そこでチェ・ブルアムの配役が自分と姓が同じ「ボン課長」だったということもはっきりと覚えている。
5年前にテレビに出てきたキム・ヘジャを見ながら、奉監督はふとこう考えた。30年近く韓国の母親を演じてきた俳優に‘国民の母’という呼称は光栄でありながらも、ひょっとすると十字架ではなかったのだろうか? ‘国民の母’キム・ヘジャが息子のために極限状況に追い込まれ、狂気とヒステリーを見せればどうか? もしかすると演技者として神の境地に到達したように見える俳優も、こういう発想の大転換を内心は望んでいるのではないだろうか。奉監督が28日公開の映画「母なる証明」を制作することになった理由だ。