【コラム】北朝鮮発危機の根本には金正恩版「南朝鮮コンプレックス」(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.08.23 14:53
韓半島(朝鮮半島)情勢に暗雲を漂わせる北朝鮮の挑発気流が尋常でない。グアム打撃と「ソウル火の海」脅迫に続き、昨日は平壌(ピョンヤン)軍部が「懲罰の炎の夕立ち」を云々した。乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン(UFG)韓米連合訓練に対する腹いせだ。金正恩(キム・ジョンウン)政権が出す対南・対米非難を細かく分析すると、激昂した感情と嘲弄、誇大妄想が目立つ。金日成(キム・イルソン)主席、金正日(キム・ジョンイル)総書記時代の緻密な統一戦術や対米戦略はほとんど見られなくなった。金正恩の公開発言や資料を通じてその心理の世界を探ってみる。
北朝鮮の金正恩労働党委員長がスイスのベルンに留学したのは10代。当時、公立学校の同じクラスに「ソンミ」という同じ年齢の女子生徒がいた。「パク・ウン」という仮名を使っていた金正恩は唯一の韓国人の友人であるこの女子生徒に関心があった。ある日、学校の遊び場のブランコに乗っていたソンミの後ろに金正恩は近づいた。韓国語で「僕が押そうか」と話すと、ソンミは「やめて」と答えた。金正恩は「大丈夫。僕が押すから」と言って引かなかった。彼女が「やめてって!」と叫ぶと、金正恩は怒りを抑えてうなだれたまま引き返したという。ブッシュ政権2期目に米国家安全保障会議(NSC)アジア担当局長を務めたビクター・チャ氏(Victor Cha)はこのソンミという女性と面談して聞いた内容を著書『The Impossible State(不思議な国)』(2012)で紹介した。ソンミの家族が金正恩に親の存在を尋ねると、「僕の母と父はここにいない」と強い北朝鮮なまりで無愛想に答えたという。言葉遣いから「悪い子」という印象を抱いたという話も付け加えた。