人件費のために伝統技法が危機? 国宝修復のジレンマ=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2012.01.23 10:00
5日午後に立ち寄った国号1号崇礼門(スンレムン)の復旧工事現場。年内に工事が完了する予定だが、現場では石を叩く音も木を削る音も聞こえなかった。石職人は寒い天気のため観覧客が訪れる週末だけ仕事をするという。さらに木工工事は1カ月前から中断されている 天気ではなく木工職人らの「労務賃」のせいだ。
事情はこうだ。文化財庁は火魔の犠牲になった崇礼門を伝統技法で復元している。機械を動員すれば文化財工事と通常の建設現場に違いはなく、昔の方式を使ってこそ伝統技能も伝えられるという理由だった。十分に拍手を送るほどの決定だった。
ところが実際に実行段階では雑音がでてきた。現場の職人に支払う人件費が底をつき木工工事が中断されたのだ。シン・ウンス大木匠は、「1962年に崇礼門を修復する際も機械をある程度使ったあとは手作業の味を加えた。ところが文化財庁は140年前に遡る伝統技法を守れと言うので1日で終わらせられるものが2~3日かかる。人件費予算を増やすなど対策を立てなければならない」と主張した。