【コラム】罠にかかったJノミクス=韓国(2)

【コラム】罠にかかったJノミクス=韓国(2)

2018年07月31日11時10分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  文在寅(ムン・ジェイン)政権の経済政策「Jノミクス」は所得主導成長、革新成長、公正経済を3つを軸にしている。包容的成長に包装を変えた所得主導成長は、最低賃金引き上げと脆弱階層に対する財政支援拡大で所得の差を減らすと同時に、購買力増進効果が成長につながるようにするという趣旨だ。規制撤廃を通じた新産業育成を新しい成長動力にするというのが革新成長であり、財閥への経済力集中を緩和して不公正な慣行を正すというのが公正経済だ。危険で無謀な実験という批判があるが、実際、北欧の数カ国がすでに施行している政策だ。

  いかなる経済政策も短期間に効果を期待することはできない。韓国経済のパラダイムを変えようという意図なら、根気を持って我慢強く推進すべきだが、国民に忍耐心を要求しにくいのが問題だ。最低賃金引き上げのために直ちに職場を失う貧困層、すぐにもつぶれそうな零細自営業者の立場では、政府に恨みを抱くだろう。

  文大統領は就任と同時に執務室に雇用状況ボードまで設置して雇用増大を最優先課題に掲げたが、雇用状況はますます悪化している。政府が作る公共職場では限界があるため企業が活発にならなければいけないが、企業としてもむやみに雇用を増やすことはできない。Jノミクスに対する不満と批判の声が高まり、支持率が急落すると、政府も動揺している。財閥改革が進まず、過去の成長優先パラダイムに回帰する兆しも表れている。これに反発して進歩陣営の学者が声明を出し、市民団体と労働団体も反発している。左右からはさみ撃ちにあい、どうすることもできない状態だ。

  最初から文在寅政権が黒と白でなく灰色の現実を認め、適正な水準でJノミクスを推進していれば、これほどの状況にはならなかっただろう。2年連続の2けた最低賃金引き上げが代表的な例だ。保守陣営も同じだ。考えと論理が違うからといって無条件に排斥し、政策の失敗を望むような態度を見せるのは問題だ。認めるべきことは認め、問いただすべきことは問いただす姿勢が必要だ。

  金教授は白黒論理から抜け出す道は対話しかないと強調する。対話は相手の言葉に耳を傾けて共通分母を探す過程だ。惜しくても灰色の中間地点で妥協することだ。対話を通じた解決法の目指す点は、より多くの人の人間らしい生活だ。今でも対話を通じて改めるべき点は改め、なくすべき点はなくすのが、罠にかかったJノミクスをまだ生かせる道ではないだろうか。すべてを握っていればすべてを逃す。

  ペ・ミョンボク/コラムニスト/論説委員

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