【コラム】トランプの台湾カードと核ミサイルのバタフライ効果
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.12.15 15:24
2年前に妥結した400兆ウォン(現レートで約40兆円)の東シベリア天然ガス供給をめぐり、中国とロシアは17年間も駆け引きを繰り返していた。長期戦ならば一見識ある中国側の交渉人もロシアパートナーの交渉スタイルには舌を巻いた。交渉に参加した中国側関係者は「ロシアの人々は自分たちに有利な価格をつけておいて、あとは耳をふぐようにして不動の姿勢を保った。ロシアが決めた通りに受諾しろというやり方だった」と述懐した。交渉のテコづくりのために中国は何度も韓国にラブコールを送った。実例として、2012年中国石油天然気集団(CNPC)の張潔敏社長は韓国側に山東省威海から韓国側西海(ソへ、黄海)岸をつなぐパイプラインの建設を提案した。このように中国は韓国市場まで引き込んで交渉を有利に進めようとしたがロシアは全く乗ってこなかったという。
来年初めにスタートする米国のドナルド・トランプ行政府は国務長官候補にエクソンモービル最高経営責任者(CEO)のレックス・ティラーソンを指名した。石油企業であるエクソンモービルで高い専門性をもつティラーソンはロシアとの営業で抜群のキャリアを築いてきた。ティラーソンはロシア石油プロジェクトを扱いながらプーチン大統領と緊密な関係を結んできた。米国と中国の戦略的地位が異なる点で思わぬ変数もあったが、利権交渉においてティラーソンは少なくともロシアの要所をおさえて最後まで食らいついていた様子だ。ティラーソンの指名は対ロシア関係をテコにしようとするトランプ版対外戦略構想の一端を垣間見せるものだ。