米政府は議会に予防軍事オプションの論理を積極的に説得しなかった。これは「あらゆるオプションをテーブルの上にのせる」という構想と計画に対して米政府内に合意がないことを意味する。軍事オプションが必要だという点は明らかだ。まず、軍事オプションという圧力なしに対北朝鮮外交が成功する可能性は低い。金正恩（キム・ジョンウン）労働党委員長が戦争や政権崩壊のような生存の脅威を感じない限り、彼が圧力に屈服する可能性はない。外交が最善だが、外交が成功するにはより強力な軍事的オプションが必要だ。２つ目、米国と韓国は武力使用に対応した準備態勢を立証しなければいけない。核兵器さえあれば北朝鮮がサイバー攻撃、テロ、そのほかの挑発オプションで我々を威嚇しても報復されないという平壌の誤った判断を遮断するためだ。３つ目、米国は核兵器または弾道ミサイルを使用する北朝鮮の攻撃を退けるために、より攻勢的なオプションを準備しなければいけない。

可能な軍事オプションがもう一つある。米国は「制限された警告打撃」を検討することができる。表面的には魅力的なオプションだが、平壌がどのように対応するか正確に予測できるだろうか。リスクを最小化できるという考えは幻想だ。

結局、韓米同盟の戦略は北朝鮮の脅迫、挑発あるいは武力使用に対する抑止力の強化に焦点を合わせなければいけない。北朝鮮の脅威がさらに深刻になったのは明らかだが、だからといって抑止と封鎖が作動する時限があるわけではない。最初から可能性が高くなかった外交的解決も時間が迫ったわけではない。最終的に時間は韓国と米国の側だ。両国は過去に多くの深刻な脅威を克服してきた強い民主国家だ。結局、北朝鮮は歴史の中に消えることになるだろう。問題解決の核心は我々の力を強化し、北朝鮮がテコとして使用することを望むパニック状態を回避することだ。

マイケル・グリーン/米戦略国際問題研究所（ＣＳＩＳ）副理事長

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【コラム】米国の北朝鮮攻撃は差し迫ったのか（１）