【時論】米国の政治二極化が中国主導のAIIBを育てた(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.04.27 11:21
中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)問題によってワシントンでは自省の声が高い。米国の外交的失敗に対して「来るべき時が来た」という反応だ。昨年からワシントンで会ったアジア通は概ね「米国が反対しようが支持しようがAIIBの発足は避けられない」と予測した。AIIB創設過程に米国が積極的に参加し中国とともにゲームのルールを設定しなければならないという主張も多かった。なぜオバマ政権はAIIB参加を反対しこのように体面を傷つけることになったのだろうか。さまざまな理由のひとつは党派に振り回されるワシントンの国内政治だ。米国のAIIB参加を議会が承認する可能性はほとんどなかった。すなわち最初からオバマ政権が使える政策オプションは非常に制限的だった。AIIBがグローバル規範に合致しないという批判だけでなくオバマ政権の政策に無条件で足払いをかけるという政派的対立が前途をふさいでいた。米国の議会政治に関する最高権威者の1人であるブルッキングス研究所のトーマス・マン博士は、「現在の米国の党派政治は南北戦争以降最悪だ」と話した。私席で接する共和党・民主党支持者の間でやりとりされる敵対的言動は度を超えたようだ。政党二極化の罠にはまった米国は過去のようにカーテンの裏での妥協による流動的な政策的連合を作れずにいる。
米国の政治二極化は中国にとってはより多くの外交空間を開けてくれた。共和党が掌握した米議会はオバマ政権が要請した国際通貨基金(IMF)のクォータ調整改革案を承認しないでいる。これは世界2位の経済大国でありIMF出資率が4%にすぎない中国とその他新興経済国を失望させた。新たな国際金融秩序に対する要求と名分を高めた。この10年余りにわたり中国は既存のブレトンウッズ金融体制の根本的改革を悲観的に見て、二股ヘッジ戦略を駆使してきた。