梅雨が始まったばかりの先日、東京銀座で横断歩道を渡るときだった。60代はじめぐらいの男性が右手には傘をさし、左手で本を持って読んでいた。これって何だろう。雨が降って傘をさしているのに本を読むなんて。とても驚きながら見ていたら、信号が変わる瞬間まで本から目を離さなかった。自分にとって格別な光景だった。
日本でも本の販売量は減少状況だ。地下鉄で本を読む人も減っている。それでも地下鉄に乗れば3人に1人は本を読んでいる。ある人は本を開いてまどろんだりするが、本を読もうとする情熱は熱く見える。
一言で日本人たちは本を読むのに熱心だ。麻生太郎首相も毎月、行き付けの書店を訪ねる。彼の購入した本は新聞に紹介され、彼の関心の先が何にあるかを知ることができる。本を読むのに特別な季節がないのも特徴だ。「秋は読書の季節」などというが、それはあまり関係がなさそうだ。暇さえあれば本を読む。ホームレスだって本を読む。そんな光景は珍しくない。