【コラム】大企業のない韓国科学技術

【コラム】大企業のない韓国科学技術

2018年08月30日14時48分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  韓国科学技術情報通信部は最近、「めでたい」ニュースを目の前にして悩みが深まっている。2019年政府研究・開発(R&D)予算が過去初めて20兆ウォン(約2兆130億円)を超えるということだった。「慶事」を知らせたいが、世論の反応が懸念された。結局「上の部署」に当たる企画財政部が2019年全体予算を発表し、やっと政府のR&D予算を知らせた。

  理由は予想できる。韓国の国家R&Dはその間、袋叩きにされてきた。国内総生産(GDP)に比べて世界一の水準であるにもかかわらず、まともな成長エンジンを作れずにいるという批判のためだった。そのため、「だから、何」のような不機嫌な声が出るものだ。

  政府のR&D予算が前年より3.7%増えて初めて20兆ウォンを超えたので朗報であることは間違いない。だが、やはり重要なのは「資金をどのように使うか」だ。国家全体のレベルで科学技術の発展戦略を立て、その戦略により細部実践計画を立てることだ。その間、数多くの成長戦略があふれ出たにもかかわらず、ちゃんとした国家の成長エンジンが一つも作られなかったのは戦略策定と実践が非常に間違っているということだ。

  国家科学技術諮問会議というのがある。国家科学技術の革新のために設置された大統領直属機関だ。国家全体の科学技術の発展戦略と主な政策方向、制度改善などを大統領に諮問し、関連科学技術政策と事業を調整・審議するのがその任務だ。大統領が国家の最高経営者(CEO)であれば、国家科学技術諮問会議は最高技術経営者(CTO)であるわけだ。

  どのような人々がここに入っているのだろうか。教授と政府出資研究所の研究員がほとんどだ。民間企業もあるが、中小企業の人員がほとんどだ。国の経済を実際に率いているサムスン・現代・LGのような大企業の高位役員は全く見当たらない。任期もせいぜい1年。彼らの実際の役割が官僚のイエスマン役ではないと信じてもいいだろうか。

  先進国はどうだろうか。製造業の革命を起こしたドイツの「インダストリー4.0」は民間が主導した。シーメンスとBMWなどドイツを代表する大企業のCTOが大勢参加した。日本も韓国の国家科学技術諮問会議と類似した機関にトヨタと三菱など大手の最高経営陣が入って科学技術の戦略を悩む。

  20兆ウォンの政府R&Dが成長エンジン一つも作り出せずに研究所の引出しに眠っているのは、最初から複雑になってしまった韓国科学技術界のシステムに原因がある。国家科学技術諮問会議に大企業のCTOを起用するを提案したい。

  チェ・ジュンホ/科学&未来チーム長
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