【中央時評】文大統領の訪中と朴趾源の『熱河日記』(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.12.15 15:54
政治学者が集まって今年の人物を選ぶといえば、ろうそく集会を経て新しく政府を率いている文在寅(ムン・ジェイン)大統領が断然その主人公になるだろう。民主主義の新しい幕を開けた文大統領を中心にここ1年間を振り返ってみれば、一方ではときめきと新しい出発の時間だった。また、他方では北核危機がわれわれを押さえ付けた混沌の時間でもあった。
明るい面から振り返ってみよう。5月、春の香りが漂っていたごろ、我々は腐敗した政府、無能な政党を審判して民主主義の新しい出発を祝った。人権弁護士出身の文大統領の就任は全世界的な民主主義の退潮の流れとは明らかに違う様相を見せていた。米国のドナルド・トランプ現象、英国のブレグジット(Brexit)、ロシアのプーチン大統領の超長期執権など民主主義の警告音が所々で鳴る中でこの土地では人権・疎通・傾聴を強調する新しい大統領が就任した。
だが、春の祭りはあっという間だった。夏と秋中に北朝鮮核の脅威とミサイル挑発の中で最悪の季節を経てきた。もう真冬の寒さの中で文大統領は並大抵でない外交戦を戦っている。高高度ミサイル防衛(THAAD)体系配備と北朝鮮の挑発を輪にして米国・中国が展開する韓半島(朝鮮半島)のグレートゲームの中で我々の平和や安全、国益を確保しなければならない文大統領の肩は重い。