サウジアラビア政府が女性運転禁止令を解除すると直ちに女性運転手の募集に乗り出した企業があった。６月２４日に行われた行事で、２０００人余りの応募者が集まったこの会社は中東の「Ｕｂｅｒ」と呼ばれる車両共有スタートアップの「カリム」だ。アラブ首長国連邦（ＵＡＥ）に本社を置くカリムは、中東の女性抑圧的文化まで変えていき、２０００万人以上が使う中東１位の車両共有サービスに成長した。

韓国貿易協会のチャン・ヒョンスク研究委員は「ＵＡＥの代表的なスタートアップ『カリム』の成功神話は、創業文化の起爆剤になった」と説明した。

スタートアップ生態系を中心にしたＵＡＥの「革新成長」が注目されている。韓国貿易協会国際貿易研究院が２９日に発表した「新生スタートアップのハブに浮上するＵＡＥの秘訣と示唆点」によると、ＵＡＥはスイス国際経営開発研究所（ＩＭＤ）の今年の国家競争力評価ベンチャーキャピタル部門でイスラエル・ドイツなど創業強国を抜いて世界５位を記録した。韓国は中国（３３位）、日本（４２位）にも遅れをとった５３位にランクインしている。経済専門紙フォーブスが最近発表した中東有望スタートアップ１００社のうち５９社がＵＡＥに基盤を置いている。

貿易協会はＵＡＥでスタートアップ生態系が急成長している秘訣として、低い規制障壁と法人税環境を挙げた。ＵＡＥは石油以外の企業所得に対して税金を課していない。また、自国企業が持分の５１％以上を所有するようにした規制も今年末までに廃止することにした。ここに創業初期スタートアップに諮問サービスを提供するインキュベーターと成長段階企業を助けるアクセラレータ、中東最大規模の投資誘致行事などを用意するなどスタートアップ関連インフラも拡充している。昨年アジアで開かれた４１１件のスタートアップ・投資家イベントのうち６２件がＵＡＥで開かれた。反面、韓国は９件にとどまった。

チャン研究委員は「韓国ベンチャー企業は新規資金の８４．９％を政府政策資金から調達するなど過度に政府に依存している」とし「国内革新創業生態系が活性化するには、民間投資環境を改善するための破格的な規制緩和措置が必要だ」と説明した。